Kent's eye

ジュエリーは価値がなくて、価値がある

言葉を選ばずに言うと、ジュエリーは、実生活の中でなんの役にも立たない利用価値のないものである。食べることもできず、道具としても使えないジュエリーは、サバイバルに出かけるときには最初に捨てるものの一つだ。それにも関わらず、なぜ世の中のジュエリーはこんなにも高価なのか。

「美しさ」や「技術」に価値があるのか。もちろんそれはある。ただ、私が個人的に思っているのは圧倒的な「幻想力」にあると考えている。

手に入れたときの高揚感、身に付けているときの言葉にできない感覚、地下深く眠っていた鉱物の悠久性、色々な幻想が私たちを盛り上げてくれる。その幻想に対する価値が最も高いのではないか。

繰り返しになるが、美しさや技術力、さらには希少性なんかも、ジュエリーの価値を相対的にあげているが、ジュエリーが持つ最大の魅力は根源的な幻想力であり、他の何にも耐え難い価値なのである。

KAORUは常々、デザインの唯一無二性を追及している。

他と違うことを恐れず、他では表現できない、その「幻想力」を最大限引き上げるためのデザインなのである。KAORUを身に付けてくれた人が何かステップアップしてほしい、扉を開いてほしいという想いから創られている。

 第七回へ続く